医療機器とは?種類・具体例や医療器具との違い、運搬時の注意点を解説

医療機器とは、疾病の診断・治療・予防に使用したり、身体の構造や機能に影響を及ぼしたりすることを目的とする機械器具等のうち、法令で定められているものです。
「医療機器」と聞くと、MRI装置や医療用X線装置などの大型機器をイメージする方も多いかもしれません。しかし、医療機器には医療用のメスやピンセットなどの器具から、超音波診断装置、人工呼吸器、ペースメーカなど、さまざまなものがあります。
また、「医療器具」「医療器械」「医療機械」といった言葉も使われます。この記事では、分かりやすさのため「医療機器」という表記で統一します。
この記事では、医療機器とは何かをわかりやすく説明し、医療器具など似た言葉との関係、医療機器の種類・分類や具体例、取り扱い・移設・運搬時に確認したいポイント、運搬業者を選ぶ際の考え方まで解説します。
医療機器は、種類や用途によって構造・重量・取り扱い条件などが異なります。移設や運搬を検討する際は、対象機器の添付文書・取扱説明書・メーカー指定条件などを確認することが重要です。
- 機器名・メーカー・型番
- 重量・寸法・台数
- 指定されている取り扱い・輸送条件
- 搬出元から搬入先までの経路
- 設置予定場所の条件
- 取り外し・再設置など必要な作業範囲
医療機器とは?
医療機器には、人や動物の疾病の診断・治療・予防に使用することを目的とするものや、身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とするものなどがあります。
そのため、医療機器は「大きな医療用の機械」だけを意味するものではありません。
医療用のメスやピンセットなどの器具から、MRI装置、医療用X線装置、超音波診断装置、透析器、人工呼吸器、ペースメーカなどまで、幅広い種類があります。
医療器具・医療器械・医療機械との違いは?
「医療器具」「医療器械」「医療機械」といった表現も一般的に使われています。
これらは会話や業界、製品の種類などによって使われ方が異なる場合があります。この記事では、分かりやすさと表記の統一のため「医療機器」と表記します。
医療機器は大きさだけで区別されるものではなく、小さな器具から大型の装置までさまざまです。
医療機器かどうか分からない場合は?
見た目や製品名だけで、その製品が医療機器に該当するか判断することが難しい場合があります。
個別の製品について確認する場合は、製品本体や包装、添付文書などを確認し、不明な場合はメーカーなどへ確認しましょう。
精密機器について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
医療機器の種類・分類と具体例
医療機器には、小型の器具から大型の医療装置までさまざまなものがあります。
医療機器の具体例として、次のようなものがあります。
- 医療用のメス・ピンセットなど
- MRI装置
- 医療用X線装置
- 超音波診断装置
- 医療用内視鏡
- 透析器
- 人工呼吸器
- ペースメーカ
- 人工骨など体内で使用されるもの
上記は一例です。実際には多くの種類があり、同じような名称の製品でも、用途・仕様・取り扱い条件などが異なる場合があります。
医療機器はリスクに応じて分類される
医療機器は、不具合が生じた場合などに人体へ与えるリスクの程度に応じて、クラスIからクラスIVまで分類されています。
| 分類 | クラス | リスクの考え方 |
|---|---|---|
| 一般医療機器 | クラスI | 不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの |
| 管理医療機器 | クラスII | 不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの |
| 高度管理医療機器 | クラスIII | 不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの |
| 高度管理医療機器 | クラスIV | 不具合が生じた場合、生命や健康へ重大な影響を及ぼすおそれがあるもの |
一般医療機器はクラスI、管理医療機器はクラスII、高度管理医療機器はクラスIII・IVに分けられます。
この分類は、単純に「大きい機器ほどリスクが高い」「小さい機器ほどリスクが低い」というものではありません。
そのため、個別の医療機器について取り扱いや移設を検討するときは、製品ごとの情報や条件を確認することが大切です。
医療機器の中には、精密な電子部品や機構を備えた装置などもありますが、すべての医療機器を一律に「精密機器」と考えることはできません。
運搬・移設を考える場合は、対象機器の構造・重量・仕様・取り扱い条件などを個別に確認することが重要です。
医療機器の取り扱い・運搬で気を付けること
医療機器は種類によって、構造や重量、取り扱い条件が異なります。
そのため、すべての医療機器に共通する一つの運搬方法があるわけではありません。対象機器に応じて、添付文書・取扱説明書・仕様書などを確認しながら条件を整理することが重要です。
1.メーカー・型番・仕様を確認する
まず確認したいのが、機器名・メーカー・型番・重量・寸法などの基本情報です。
同じ種類の機器でも、メーカーや型番によって構造や取り扱い条件が異なる場合があります。
2.輸送・保管条件を確認する
機器によっては、輸送時の向き、衝撃・振動、温度・湿度、保管方法などについて条件が定められている場合があります。
運搬方法を決める前に、取扱説明書や仕様書などを確認し、不明な場合はメーカーや保守会社などへ確認しておきましょう。
3.搬出入経路を確認する
大型の医療機器では、本体の大きさや重量だけでなく、搬出場所から搬入・設置予定場所までの経路によって必要な作業方法が変わる場合があります。
- 搬入口・扉の幅と高さ
- 通路の幅と高さ
- 階段・段差の有無
- エレベーターの有無・大きさ・積載条件
- 床面の状況
- 搬入先の階数
- 建物周辺の車両進入条件
- 搬入・設置予定場所までの経路
4.必要な作業範囲を確認する
医療機器の移設では、単に機器を運ぶだけで完了しない場合があります。
機器によっては、電源停止、取り外し、分解、搬出、輸送、搬入、組み立て、接続、設置後の確認など、複数の工程が関係する場合があります。
必要な工程を整理したうえで、運搬会社・メーカー・保守会社・施設側など、誰がどこまで担当するのかを事前に確認しておくことが重要です。
5.機器に保存されているデータを確認する
医療機器の中には、患者情報や検査情報などのデータを保存しているものもあります。
該当する場合は、移設前に必要な対応について、医療機関やメーカー・保守会社などのルールを確認しておきましょう。
6.搬出前に必要な対応を確認する
使用状況や機器の種類によっては、搬出前に施設側などで必要な対応がある場合があります。
必要な対応は一律ではないため、対象となる機器や施設のルールを事前に確認しておきましょう。
- 機器名・メーカー・型番を確認した
- 重量・幅・高さ・奥行きを確認した
- 台数を確認した
- 機器の写真を用意した
- 添付文書・取扱説明書・仕様書などを確認した
- 輸送・保管条件を確認した
- 搬出元・搬入先を確認した
- 搬入口・通路・階段・段差を確認した
- エレベーターの条件を確認した
- 搬入・設置予定場所を確認した
- 必要な作業範囲を整理した
- 関係する会社・施設との役割分担を確認した
医療機器の運搬業者を選ぶポイント
医療機器は、種類・構造・重量・取り扱い条件などがそれぞれ異なります。
そのため、運搬会社を選ぶ際は「医療機器」という名称だけで判断するのではなく、実際に運搬したい機器へ対応できるかを個別に確認することが大切です。
1.対象となる機器に対応できるか
依頼する機器の種類・メーカー・型番・重量・寸法などを伝え、まず対応可否を確認しましょう。
同じ医療機器という分類でも、機器の仕様や現場条件によって必要となる作業方法は異なります。
2.現場条件まで確認してもらえるか
大型機器の搬入・搬出では、機器本体だけでなく、通路・段差・階段・エレベーター・床面・建物周辺の状況なども作業方法に影響します。
対象機器と現場条件の両方を伝えたうえで、どのような対応が可能か確認しましょう。
3.作業範囲が明確になっているか
見積を確認する際は、搬出・梱包・輸送・搬入など、どこまでが作業範囲に含まれているかを確認することが重要です。
取り外し・再接続・組み立て・設置後の確認などが必要な場合は、それぞれ誰が担当するのかも事前に整理しておきましょう。
4.作業事例や対応内容を確認する
運搬会社のホームページに作業事例が掲載されている場合は、どのような機器や現場条件に対応しているかを知るための参考になります。
ただし、似た機器の事例が掲載されていても、今回の機器に同じ方法が使えるとは限りません。機器情報や現場条件を伝えて、対応可否を確認することが大切です。
医療機器は機器ごとに仕様や取り扱い条件が異なるため、池田ピアノ運送では、機器の種類・メーカー・型番・重量・寸法・現場条件などを確認したうえで、対応可否や作業方法を検討します。
詳細が分からない場合も、分かる範囲の情報からご相談ください。
池田ピアノ運送の精密機器・重量物などに関する作業事例は、以下のページから確認できます。
対象機器や現場条件によって、運搬方法や対応可否は異なります。
医療機器についてよくある質問
A. 疾病の診断・治療・予防や、身体の構造・機能への影響を目的とする機械器具等のうち、法令で医療機器として定められているものです。大型装置だけでなく、小型の器具などもあります。
A. 「医療器具」「医療器械」「医療機械」といった表現も一般的に使われています。この記事では、分かりやすさと表記の統一のため「医療機器」と表記しています。
A. 医療用のメスやピンセットなどの器具から、MRI装置、医療用X線装置、超音波診断装置、透析器、人工呼吸器、ペースメーカなどまで、さまざまなものがあります。
A. リスクの程度に応じてクラスIからIVまで分類され、一般医療機器・管理医療機器・高度管理医療機器に分けられています。
A. すべての医療機器を一律に精密機器とすることはできません。医療機器にはさまざまな構造・用途のものがあるため、取り扱いや運搬では対象機器ごとの仕様や条件を確認することが重要です。
A. 機器名・メーカー・型番・重量・寸法・台数のほか、輸送条件、搬出入経路、搬入先、必要な作業範囲などを確認しておきましょう。
A. ご相談いただけます。機器の種類・仕様・重量・現場条件・必要な作業内容などを確認したうえで、対応可否を個別に確認しています。
まとめ
医療機器とは、疾病の診断・治療・予防や身体の構造・機能への影響を目的とする機械器具等のうち、法令で定められているものです。
医療用のメスやピンセットなどの器具から、MRI装置、医療用X線装置、超音波診断装置、透析器、人工呼吸器、ペースメーカなどまで、多種多様な医療機器があります。
また、リスクの程度に応じてクラスIからIVまで分類され、一般医療機器・管理医療機器・高度管理医療機器に分けられています。
一方、すべての医療機器が精密機器というわけではなく、機器の大きさだけで取り扱い方法を判断することもできません。
移設・運搬を検討するときは、メーカー・型番・重量・寸法だけでなく、取り扱い条件、搬出入経路、搬入先、必要な作業範囲まで確認しておくことが大切です。
医療機器を含む機器の運搬・搬入については、対象機器の仕様や現場条件などを確認したうえで、対応可否や作業方法を検討します。
・大型機器を別の場所へ移設したい
・搬出口や通路から搬出できるか確認したい
・重量や寸法は分かるが運搬方法が分からない
・搬出・輸送・搬入について相談したい
メーカー・型番・重量・寸法・搬出入条件など、分かる範囲の情報をお知らせください。
機器や作業内容によって対応可否が異なるため、詳細を確認したうえでご案内します。
